【実機レビュー】Alienware AW3423DW 世界初の有機ELウルトラワイドゲーミングモニター

レビュー

どうも、あかえいさんです。

DELLのゲーミングブランドといえばAlienware。エイリアンのロゴと白いデザインはPCゲーマーであれば一度は見たことがあるのではないでしょうか。

今回はそのAlienwareから、世界初の有機ELウルトラワイドゲーミングモニターとなるAlienware AW3423DWが発売されました!

到着までにかなり時間がかかってしまいましたが、今大注目のゲーミングモニター実機レビューをお届けします!

今回紹介する商品

Alienware AW3423DWの概要とスペック

Alienware AW3423DWは2022年4月15日に日本で発売となった34.18インチの曲面ゲーミングモニターで、UWQHD(3440×1440、比率21:9)の曲面ディスプレイを搭載しています。21:9のアスペクト比と175Hzのスペックを兼ね備えた曲率1800Rのパネルは、このスペックとして世界初となる有機ELパネル「Quantum Dot OLED」を採用しており、液晶パネルと比較して圧倒的な黒を表現することが可能です。

製品名Alienware AW3423DW
製品画像
日本発売日2022年4月25日
パネルサイズ34.18インチ
ディスプレイ寸法800.1 x 337.1 mm
ディスプレイ表面処理ノングレア(非光沢)
液晶方式Quantum Dot OLED
表示色10億7000万色
色域sRGB:149%
DCI-P3:99.3%
解像度UWQHD
3440 x 1440
アスペクト比ウルトラワイド
21:9
パネル曲率1800R
視野角水平178°
垂直178°
輝度250 cd/m2 (typical※)
1000 cd/m2 (ピーク時)
※使用中の標準的な数値
コントラスト比100000 : 1
(実質ほぼ∞)
応答速度0.1ms
最大リフレッシュレート175 Hz
HDRVESA Display HDR 1000
VESA Display HDR True Black 400
入力ポートHDMI 2.0 x2
DisplayPort 1.4 x1
スピーカー2W x2
イヤホンジャック
フリッカーフリー
PBP×
PIP×
USBポート×
傾斜機能-5°~+21°
スイーベル機能(水平回転)40°
ピボット機能(画面回転)
高さ調整機能110 mm
VESAマウント100 x 100 mm
最大消費電力200 W
スリープ時消費電力0.5 W
サイズ(スタンドあり)幅×高さ×奥行
815.25 x 525.27 x 305.71 mm
サイズ(スタンド無し)幅×高さ×奥行
815.25 x 364.15 x 137.11 mm
重量(スタンドあり)10.7 kg
重量(スタンド無し)8.4 kg
保証期間‎付加サービスで3年
(OLEDパネルの焼き付き含む)
あかえいさん
あかえいさん

注目ポイントを以下で詳しく紹介します。

Alienware AW3423DWの特徴

世界初の本格的な有機ELゲーミングモニター

Alienware AW3423DWは2022年6月現在発売されているゲーミングモニターとして、(実質的に)世界初の有機ELモニターと言えます。

ここでいう「ゲーミングモニター」とは、デスクの上に置いてPCゲームを楽しんだり、普段は通常のPCモニターとして使うものを指します。

価格.comのPCモニターを「有機ELパネル」で絞り込むと、2022年6月時点で8件ヒットしますが、AW3423以外はすべて

  • ノートPC拡張用のモバイルモニター
  • 48インチ以上のテレビサイズのモニター(PCゲームというより、リビングでのPS5向け)
  • 少数生産のクリエイター向けモニター(リフレッシュレートは60Hz。そしてめちゃくちゃ高い)

といった感じで、多くのゲーマーが使っているであろう24インチ~34インチウルトラワイドあたりの大きさの有機ELモニターはこれまで存在しませんでした。

そんななか登場したAlienware AW3423DWは、ユーザーが増えつつあるウルトラワイドのUWQHD(3440×1440)というサイズで初の有機ELモニターです。

またゲーミングモニターとして重要なリフレッシュレートは175Hzとなっており、これまでのUWQHDの液晶モニターでもここまで高速なモニターはほとんど無いため、間違いなくゲーマーを意識したモニターと言えますね。

完全な黒を表現するHDR

Alienware AW3423DWの有機ELパネルは新たな方式であるQuantum Dot OLED(QD-OLED)、つまり量子ドット有機ELパネルを採用しています。青色に発光する有機ELドットを赤/緑色に変換して光の三原色を構成しているため、従来のホワイト有機EL(WOLED)比較してピーク輝度と色域の範囲が広く、より鮮やかな色彩表現が可能になっています。

従来の有機EL(WOLED)

液晶パネルと同じく、白色に発光するドットにカラーフィルターを通して光の三原色+白色のドットを構成する。
フィルターを通しているので、効率が悪く、発熱や色の鮮やかさ(色域)でQuantum Dot OLEDに劣る。

量子ドット有機EL(QD-OLED)

青色に発光するドットに量子ドットを通すことで、赤/緑色(とそのままの青色)を表現する。
フィルタリングではなく波長の変換なので、熱として捨てる光が少なくより高輝度かつ鮮やか。Quantum Dot OLEDは2022年以降のトレンドになりそう。

また、Alienware AW3423DWは有機ELパネル用のDisplayHDR規格であるVESA Display HDR True Black 400を取得しています。

有機ELの特徴である「光漏れのない完全な黒」によって、普通の液晶パネルでは実現できないコントラスト10万:1を実現しています。

あかえいさん
あかえいさん

有機ELの黒は発光していないので、実質コントラストは∞といっていいでしょう。

圧倒的な応答速度

有機ELのスペックが分かったところで気になるのが、ゲーミングモニターとしての性能です。

Alienware AW3423DWでは、先ほども紹介したリフレッシュレート175Hzと、有機ELの特徴である応答速度0.1msを実現しています。

液晶は電圧のオンオフによって液晶分子の配向(向き)を変えて色や明るさを変化させますが、有機ELは電流を変えると瞬時に輝度が変わるため、液晶よりも応答速度が早くなります。

また、ディスプレイの同期技術としてNVIDIAの「G-SYNC Ultimate」に対応しているため、Geforceのグラフィックボードを使っている場合は、スタッタリングやティアリングのないゲームを体験できます。

360Hzのゲーミングモニターが発売されている現在、リフレッシュレート175Hzというスペックは最速の部類に入るわけではないですが、解像度や応答速度、HDR性能を総合的に見た場合、今手に入る最強のゲーミングモニターではないでしょうか。

有機ELパネルの性能を最大限発揮する設計

背面は特徴的な白と黒のツートンカラーなデザインになっています。これまでのAlienwareの背面は全面真っ白というイメージだったので意外でした。

これには理由があるようで、白と黒の境界部分に360°ぐるっとスリットが設けられており、自発光であるOLEDパネルの発熱を抑え、パフォーマンスを向上する役割があるそうです。

また、OLEDパネルは焼き付きが心配になりますが、長時間同じコンテンツが画面に表示されることによる焼き付きを防ぐように設計されているそうです。

その他のポイント

OSDの操作は5軸ジョイスティック式で、直観的に操作できるようになっています。

またUSBハブ機能も搭載しており、画面底面のジョイスティック横にUSB 3.2 Gen1 Type-Aを2個、裏面のHDMI端子横にもUSB 3.2 Gen1 Type-Aが2個配置されています。

Alienware AW3423DWの実物をチェック

ここからはAlienware AW3423DW開封の儀&実機レビューをお届けします。

外箱

カラー印刷された外箱で届きます。Alienware購入は初めてですが、パッケージの雰囲気はシリーズの他製品と同じようですね。

パッケージ裏面です。

パッケージのサイズは95cm×47cm×27cmでした。ウルトラワイドモニターとしてはコンパクトに収まっているようです。

以前レビューしたGIGABYTEのウルトラワイドモニターG34WQCは結構大きめだったので構えていましたが、ちょっと拍子抜けでした。

あかえいさん
あかえいさん

どちらにしろ、初ウルトラワイドの人が見るとビビる大きさです。

横に倒してパカっとオープンする方式です。横や上から引っ張りだす方法より楽でよいです。

開けると組み立てマニュアルとキャリブレーション証明書が入っています。参考までにマニュアルを載せておきます。

付属品

注意事項が書かれた紙と、Alianwareの志的なものが記されたカードが入っています。Alienwareさんごめんなさい、読むの忘れてました。

電源コードはこちら。どうやらACアダプターは内臓式のようです!本体が重くなるデメリットもありますが、個人的にケーブルの途中に大きなACアダプターがあるよりも配線がすっきりするので良いポイントだと思います!

付属のケーブルは

  • HDMIケーブル×1
  • DisplayPortケーブル×1
  • DisplayPort-Mini DisplayPortケーブル×1
  • USBケーブル×1

が付属しています。Mini DisplayPortケーブルが付属しているのは珍しいですね。最近のPCはUSB Type-CのDisplayPort Altモードを利用した接続が多いのでこちらのケーブルを付属したほうが喜ばれたような気がします。

こちらはモニターアームに取り付ける際に使用するアダプターです。スタンダードなVESA規格:100×100mmに対応しています。

画像下側にあるカーブした長方形の蓋のようなものは本体に取り付けてケーブルを隠すためのシュラウドです。後ほど取り付けてみます。

スタンド

スタンドを見ていきます。最初にアーム部分と足を組み立てる必要がありますが手回し式のネジがあらかじめ取り付けられているので簡単です。

全体的に陶器のようなさらさらとして手触りで、高級感があります。

くっつけるとこんな感じ。

本体

パッケージは2段になっており、付属品が収められていた上段を外すとモニター本体が現れます。

梱包をどかしつつ、先ほどのスタンドを取り付けていきます。

上側の爪をひっかけるように下から差し込んだ後、そのままカチッと音がするまで差し込めば完成です。

取り外すときは、下部についているボタンを押しながら逆の順序で取り外すだけです。

あかえいさん
あかえいさん

取り付け・取り外しがネジ無しツールレスで最高です!

スタンドを取り付けたらそのまま立ち上げます。画面にはエアーパッキンが貼ってありました。

パネルの表面処理はスペック上ノングレア(非光沢)となっているのですが、光沢があるグレアな気がします。

ほぼすべてのゲーミングモニターは非光沢ですが、AW3423DWはどちらかというとテレビのような艶があります。しかしながらテレビの前に立つと自分の影がはっきり見えるような感じではなく、不思議な感じです。

公式サイトによると、反射防止スクリーンコーティングが施されているようです。

また写真の撮り方で画面は真っ暗に見えますが、実際は画面OFF時にはやや赤黒い紫色を帯びており、発行部分とベゼルの境界は段差は無いにしろ、はっきりとわかります。有機ELテレビをお持ちの方には伝わるのではないでしょうか。

この色味については、次の画像のほうが分かりやすいかもしれません↓

本体下部にはALIENWAREのロゴが入っています。

あかえいさん
あかえいさん

あかえいさん的にはシンプルでかっこいいと思いましたが皆さんはいかがでしょうか?

モニターを触ってみて気づいたことは、画面端の薄さです。

画面の向きを変えるときに縁を触ると思いますが、背面が2段構造になっていることもありとても薄く感じられます。

最薄部で7~8mmといったところでしょうか。

上から見ると廃熱用の360°スリットが開いていることが分かります。

画面中央部はかなり膨らんだ作りになっています。G-Sync UltimateのコンポーネントやQD-OLEDパネルの排熱用ファンなど、色々入っている都合上このような形になっているものと思われます。

スタンドはもちろん高さ調節可能です。一応目盛りのようなものが後ろに入っていますが、あまり見ることはないでしょう。

後ろからのイメージです。少し小さめのAlienwareロゴが目立ちますね(笑)

背面のロゴと中心の縦長の円部分はRGBイルミネーション搭載です。OSDからON/OFFや色の設定が可能です。

アームと同じく質感は良いです。

高さ調節の範囲を確認していきます。最下部は床から約5.5cm、

最大まで上げると約26.5cmです。11cmほどの可動領域ですね。

首振り機能は両側に20°ずつ動きます。

上下のチルト角調整は-5°から21°まで対応です。スタンドを使う場合あまり下向きにはできません。

モニターアームを利用する場合は、付属のアダプターを使用します。

アームと同様にツールレスで取り付け可能です。

もちろん、別売のモニターアームへの取り付けはねじ止めが必要になります。

画質インプレッション

ここからは実際の画面の性能を見ていきます。

あかえいさん
あかえいさん

あくまであかえいさん個人の印象ですが、参考になれば幸いです。

まず有機ELパネルの最大の特徴である黒の表現から。深夜に部屋を真っ暗にしたうえで黒い壁紙を設定し撮影してみました。上記の画像は赤い横線が入っているところまでがモニターです(左半分)

いかがでしょうか?モニターの境目はほとんどわからないと思います。

もう一枚、わかりやすいように背後にあるPCのイルミネーションを点灯して撮影しました。

黒の真っ黒具合が伝わるでしょうか。

次にIPS液晶のモニターと比較してみました。(左:IPS液晶、右:AW3423DW) 

なるべく肉眼で見たままの見え方になるよう撮影しています。

AW3423DWのほうがはっきりとした黒を表現できていることが分かります。

次はHDR設定のON/OFFを比較してみました。WindowsのHDR設定を切り替えたうえで、YouTubeの4K HDR動画の一場面を撮影しました。

HDRはONにすると輝度が調節できなくなるため、全くの同一条件ではないのですが、夜の映像はやはりHDR ONの時は圧倒的で現実世界で目に入ってくる映像そのもの。

この動画の16秒から白熱電球が光るのですが、部屋を暗くしてHDRをONにしてみると、本当にデスクの上で電球が光り、顔に熱を感じているように錯覚するほどです。

あかえいさん
あかえいさん

有機EL×HDRでの暗い映像は異次元ですね。。

一方で、明るい場面や日中屋外といった画面全体の輝度が高いシチュエーションでは、DisplayHDRに対応した液晶ディスプレイとの違いは大きくありませんでした。

画面にRGBキーボードを立てかけた様子。反射してます。

本体レビューにも書いた通り、グレアに近い表面処理になっているので、明るい映像・暗い映像関係なく、色彩に艶がある感じがします。

ゲーミング性能として、例のごとくUFO Testを撮影しました。

開始1秒後から1/8のスローモーションになっています。アップロードの都合上どうしても見たままの滑らかさにはなりませんが、175Hzでは滑らかに表示できています。

また、液晶に比べて応答速度が圧倒的に速いため、残像感がありません。175Hzは言わずもがなですが、44HzのUFOを見てもらうとわかる通り、低フレームでも1枚ずつがキビキビと切り替わっており1フレーム前の残像がほとんど見えません。

FPSにおけるエイムのしやすさにおいてかなりの効果を発揮すると思います。

まとめ

今回はDELLのウルトラワイドゲーミングモニターAlienware AW3423DWをレビューしました。

世界初のガチゲーマー用有機ELモニターらしく、高いリフレッシュレートと恐るべき応答速度を備えており、360Hzの液晶モニターと並んでFPSのプレイヤーにおすすめしたいモニターです。

もちろん最新の有機ELであるQD-OLEDのメリットは活きており、色域は一般的な規格「sRGB」は100%クリア、クリエイター向けの広い色域が要求されるAdobeRGBも97.1%を達成しており、これまでの液晶モニターとはワンランク上の映像体験が楽しめます。

ゲームをしないという方でも買って損はないと思います。今後このQD-OLEDを搭載したモニターが続々と登場するかとおもいますが、現時点での完成度としては十分と言えそうです。

  • ウルトラワイド×UWQHD×有機ELと世界初尽くし
  • 暗い映像の表現力は敵なし
  • クリエイター向け利用にも耐えうる色域
  • リフレッシュレートと応答速度を両立したい場合は最適解
  • 明るい画面でのHDR性能は高性能なHDR対応液晶モニターには勝てず。
  • ゲーマー向けOSDの設定は控えめ。クロスヘアが表示できるとよかったかも。

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